セイヨウタンポポとアカミタンポポのような
外来種(帰化種)タンポポと、日本固有の
在来種タンポポ(日本タンポポ)は、
外総苞片(ガクに見える部分の外側)が反り返っているものは外来種、反り返らず直立しているものは在来種というように外総苞片で区別できると思われていました。
ところが最近、外総苞片の反り返り具合が在来種と外来種の中間のものがあり、葉に含まれる酵素の型や遺伝子の解析により、それらはセイヨウタンポポと2倍体の在来種との
雑種である事がわかってきました。
同様に、アカミタンポポと在来種との雑種も確認されています。
(外来種の花粉が在来種に受粉してできたと思われる雑種タンポポ)
さらに外見的にセイヨウタンポポと思われていたものも、その大部分が雑種だった事が明らかになりました。以下文献から引用します
雑種タンポポの出現頻度と全国分布 平成13 年度に環境省が実施した「身近な生きもの調査」では、日本全国からタンポポ類の頭花と種子が収集され、それらの分布図が作成された。
(中略)
形態的にセイヨウタンポポと見なされた844個体のうち、純粋なセイヨウタンポポとして識別された個体はわずか131個体(15 %)で、残り713個体(85 %)が雑種タンポポであることが判明した。雑種タンポポの内訳は、4倍体雑種が463個体(55 %)、3倍体雑種が174個体(21 %)、雄核単為生殖雑種が76 個体(9%)であった。
核DNAや葉緑体のDNA、染色体数、DNA含量を解析した結果、雑種タンポポは3倍体雑種、4倍対雑種、雄核単為生殖雑種の3種類に分類される。(図2)
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「雑種タンポポの識別と全国分布」農業環境技術研究所組換え体チーム「雑種タンポポの識別と全国分布」より引用
たんぽぽ調査西日本2010調査報告書では、セイヨウタンポポに見える個体に占める雑種の割合は62.9%。また、アカミタンポポに見える個体の雑種割合は31.3%であったと報告されています。
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